基礎講座3-1 プロモ豆講座(2022) カティカティブレンド
こんにちは、せんせーです。
基礎講座第3章では、2022年度BA受験生向けに過去1年で発売されたプロモ豆を発売します。第1回は、2年ぶりに発売されたカティカティブレンドについての紹介です。
『シトラスを思わせる鮮やかさとブラウンシュガーの甘み、後味に仄かなスパイシーさが感じられる、華やかな味わいの東アフリカ産ブレンドコーヒー』
ローストレベル;MEDIUM
酸味;HIGH
コク;MEDIUM
加工方法;水洗式
キーワード;NOTES OF GRAPEFRUIT&BROWN SUGER(グレープフルーツやブラウンシュガーを思わせる風味)
相性の良い風味;ストロベリー・レモン・キャンディードフルーツ
以上がEABの基礎知識です。「カティカティブレンドなのに、なぜEAB…?」と思った方もいらっしゃると思います。これは、昔カティカティブレンドを「イーストアフリカブレンド」と呼んでいたことの名残りです。その頃のスリーレターがそのまま流用されているんですね。それだけ、このコーヒーはスターバックスのプロモ豆の中でもポピュラーな存在であるということですね。
そんな(基本)毎年発売されているEABですが、その産地はアフリカ、特にエチオピアとケニア(エチオピアメインです)となります。3連続アフリカ、しかも前回・前々回の講義で扱ったコア豆の産地ですね。たまたまですが。
カティカティとは英語でbetween、つまり「〜の間に」という意味です。その名の通りエチオピアとケニアの2つの国から届いたプロモ豆であることを物語っています。キーワードにある「グレープフルーツやブラウンシュガーを思わせる風味」は、まさにケニアとエチオピアの特徴をどちらも兼ね備えていることを示しています。そのため、酸味やコクもKENやBNAと同様にHIGH・MEDIUM。KENほど柑橘類を思わせる酸味やBNAのような深いココア感は感じられませんが、それぞれの良さをバランスよく兼ね備えたブレンドコーヒーです。
深い青に染まった特徴的なパッケージは、感光紙の上にエチオピアの薔薇・ケニアのオブリークソレル・アラビカ種のコーヒーの葉と豆を置き、太陽の光が当たった部分を青色に染め抜く「サンプリント」の手法が用いられています。ここでも、エチオピアとケニアのそれぞれのものを用いていることが分かると思います。そこに、エチオピア産のオパールとケニア産の金が光を受けてキラキラと輝いている様子を表す金色の帯を背面に配置しています。このパッケージには、アフリカの太陽とケニアとエチオピアの間で調達されたコーヒーへの賛辞が込められています。
今回の講義は以上とします。宿題は以下の問題を解いてくることです。
1.カティカティの意味は?
2.EABのキーワードは?
3.パッケージに描かれるデザイン3つは?
ではまた〜。
基礎講座2-補講 コーヒー生産地による風味の違い
こんにちは、せんせーです。
今日は個別のコーヒー豆に関する解説ではなく、それぞれの生産地における特徴をお伝えしていきたいと思います。生産地ごとの風味・味わいの特徴とその由来を把握しておけば、コーヒー豆の風味を認識するのがより楽しく・正確になると思います。
スターバックスで販売されているコーヒー豆の産地を大別すると、以下の3種類に分けられます。
1.ラテンアメリカ
2.アフリカ
3.アジア/太平洋
では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
1.ラテンアメリカ
「さっぱりとした鮮やかな酸味があり、バランスがよく、ナッツやココアのような風味があります。」
スターバックスによると、ラテンアメリカ産のコーヒーはこのように解説されています。ラテンアメリカ産のコーヒーは全体的に酸味・風味のバランスが良く、そのものだけでなく他の産地のコーヒーの良さを引き出す引き立て役にもなれます。実際スターバックスで販売されているブレンドコーヒーのベースにはラテンアメリカ産のコーヒーがよく使われています。例えるのであれば、特技をちゃんと持ちつつもクラスのどんな人とも仲良くできる優等生タイプと言えるでしょう。
2.アフリカ
「フローラルさやシトラス感のあるジューシーな風味からベリーやスパイスの味わいまで、アフリカはとりわけ個性的な風味が特徴です。」
スターバックスの、アフリカ産コーヒーに関する解説です。アフリカ産コーヒーでコア豆を挙げると、ケニア・エチオピアとコア豆の中でも特に個性的な風味が特徴のコーヒーであることが分かると思います。フルーティな風味や香り高さがアフリカ産のコーヒーの魅力と言っても過言ではないですね。
3.アジア/太平洋
「重厚感のあるコク、シロップのようになめらかな味わいにハーブや大地を思わせる風味が特徴の地域です。」
スターバックスは、アジア/太平洋産コーヒーをこう評価しています。スマトラは、その特徴を最も色濃く表していると思います。口に含んで一番に感じられる(良い意味での)土っぽさやハーブ感は、他の地域では醸し出せない味わいです。スマトラ式と呼ばれる特徴的な加工方法も、これらアジア/太平洋産コーヒーの味わいを生み出す一因となります。
このようなそれぞれの生産地の特徴を理解していると、ブレンドの味わいをより理論的に理解できるようになり、キーワードや使われているコーヒー豆の生産地を逆算的に求められるようになります。
これらの知識は、BAを取得して以降実際にお客様の前でコーヒーの紹介をする際に一番活かせるものになる(実際私はこの知識を一番活用しています)ので、BA取得を目指す方は生産地別の風味をぜひ理解しておいてほしいですね。
その知識を効率的に得るのに便利なのが「COFFEE PASSPORT」という小さな冊子です。スターバックス各店舗で貰える、コーヒーに関する知識が色々書かれたものです。実はこれ、お客様向けに配られているものとPTR用のものの2種類があります。BA取得のために便利だと私個人がお勧めする方は、お客様用のコーヒーパスポートです。PTR用の方にはコア豆の情報が全く書かれていないので自分で一個一個埋めていく必要がありますが、お客様用の方には全て記載されています。また、お客様向けにスターバックスのコーヒーに関する情報が載っているのでPTRの方も参考になる点があると思います。(BA取得後の接客にも活かせる内容もあります)
今回の講義は以上です。宿題は、3つの産地の特徴を誰かに説明できるようになることです。
ではまた〜。